なぜ、何も返事をしないの。あなたはわたしを自由にするといった。約束をした。証拠だって残っている。なのになぜ、お母さんにテストの結果を暗号で伝えたの。リンゴが落ちる瞬間あなたたちはいちご狩りをしに隣町へ路線バスで向かった。そしてまさにそのとき竜巻に巻き込まれて、公衆電話は東の方向へあの子の高校時代の思い出を奪いにいった。たしかに。何よりも確かに。なのに・・・なのに。それがココロだって、分かっているのに。宝石よりあの日使った油絵具より、鮮やかにまるで鮮血のような、約束だった。ペットのミミちゃん、さようなら。おやすみ。
